平成27年度税制改正の概要・・法人税

税制改革_ブログ
税理士 兵頭始 著者:兵頭始税理士事務所 税理士 兵頭始
平成26年12月30日、自民党と公明党による「平成27年度税制改正大綱」が決定されました。
この大綱は本年1月14日の閣議で法律案として決定され、国会に提出されて審議されることになりました。
そして、衆議院と参議院の両方で可決されると法律として成立し、順調に進めば3月下旬に交付され、4月1日に施行されます。

ここでは、平成27年度税制改正のうち、法人税の改正について主な内容をお知らせします。

法人税率の引下げ

 法人税率(資本金1億円以下の法人は、年間所得が800万円を超える部分に対する税率)

現在の25.5%を、23.9%に引下げる。
この事などによって、実効税率は、約32%となります。

 平成27年4月1日以後に開始する年度から適用されます。

青色欠損金等の繰越控除制度

 資本金が1億円を超える法人などについて、繰越し控除できる金額が、次のとおりとなります。

(1)平成27年4月1日から平成29年3月31日までに開始する事業年度

繰越控除する事業年度の所得の65%

(2)平成29年4月1日以後に開始する事業年度

繰越控除する事業年度の所得の50%

※ 資本金が1億円以下の法人などは、現行のとおり100%が控除できます。

 青色欠損金等の繰越控除期間が、10年となります。
(平成29年4月1日以後に開始する事業年度において生じた欠損金額から、適用される)

雇用者給与等支給額が増加した場合の税額控除制度の給与等の増加割合の緩和

この制度は、給与等の支給額が基準となる年度に比べて一定割合以上増加した場合に、一定要件の下に、増加した金額の10%だけ法人税額を軽減するものです。

次のとおり、適用要件(増加割合の要件)が緩和されます。

 資本金1億円以下の法人など

平成28年4月1日に開始する年度について、増加割合の要件が3%以上となります(現行5%以上)

 資本金1億円を超える法人など

平成28年1月1日から29年3月31日までに開始する年度について、増加割合の要件が4%以上となります(現行5%以上)

特定資産の買換えの場合の課税の特例

 10年超の期間所有している土地、建物等から、国内にある土地、建物、機械装置等への買換えについて、買換え資産から機械装置及びコンテナ用の貨車が除外されます。

 ①の取扱は、平成27年1月1日以後に、10年超の期間所有している土地、建物等を譲渡した場合に適用され、平成26年12月31日までに譲渡した10年超所有の土地、建物等については、機械装置への買換えができます。

試験研究を行った場合の税額控除制度(研究開発税制)

 試験研究費の総額に係る税額控除制度及び中小企業基盤強化税制の控除税額の上限が、その年度の法人税額の25%となります。

 その年度で控除しきれなかった控除限度超過額を翌年度に繰越す措置が、廃止されます。

 これらの措置(上記①と②)は、平成27年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。