相続税 居住用宅地の減額の解説と二世帯住宅の取扱い・・その2

税理士 兵頭始 著者:兵頭始税理士事務所 税理士 兵頭始
相続開始の直前(被相続人が亡くなった時)において、被相続人又は被相続人と生計を一にしていた親族が住んでいた家屋の敷地となっていた宅地等(借地権などを含みます)を、次の親族※が取得又は取得して居住した場合には、240㎡までの部分まで、相続税の計算の基礎となる評価額が80%減額されます(つまり、5分の1に軽減されます)

「生計を一にしていた親族」とは、通常は、「被相続人に養われていた親族」か「被相続人を養っていた親族」をいいます 同じ家屋に住んでいた場合は、原則として「生計を一にしていた」とされます。

「親族」とは、民法で定められている親族のことで、次の人たちのことです。

 配偶者

 6親等以内の血族

 3親等以内の姻族

取得または取得して居住した場合に、評価額が5分の1になる親族とは、次の人たちのことです。

 配偶者

別居中でもOK、取得してすぐに売ってもOK

 同居していた親族

相続税の申告期限まで、居住を続けかつ保有していることが条件

 同居はしていなかったが「生計を一にしていた」親族で、被相続人が所有していた宅地上の家屋に住んでいた方

(別居しているが、被相続人を扶養していた親族、又は、被相続人に扶養されていた親族⇒被相続人が家屋・敷地ともに所有する住宅に住んでいる親族、又は被相続人が所有する土地の上に自分で住宅を建築して住んでいる親族で、被相続人を扶養していた方、又は、被相続人に扶養されていた方)

被相続人が亡くなる前から住んでいて、相続税の申告期限まで居住を続けかつ保有していることが条件

 被相続人が住んでいた家屋に、配偶者または法定相続人が同居していなかった場合で、亡くなる前の3年間に自分又は配偶者の持家に住んでいなかった親族

(相続開始の直前において、被相続人が居住していた場合は、3年以内に持家に住んでいてもOK⇒被相続人の土地の上に自宅を建てて同居していたが、転勤などで自宅を離れて社宅などに住んでいる場合))

相続税の申告期限まで保有を続けることが条件(住まなくてもOK)

二世帯住宅とは、1棟の建物を2つ以上に区分してそれぞれに父母や子供などが住んでいる住宅を言います。

現行では、父母が住んでいた独立部分と子供などが住んでいた独立部分とが、建物内部の階段や通路で行き来が出来ない場合、つまりいったん外に出なければ行き来が出来ない場合には、同居ではないとされ、建物の敷地面積を父母の住んでいた部分の床面積と子供などが住んでいる部分の床面積で按分して、父母が住んでいた部分の床面積に対応する敷地面積に対してだけ、80%減額(相続税の課税対象金額が5分の1になる特例)が適用されます。
※但し、被相続人である父または母が1人で住んでいた場合は、子供が相続税の申告にあたって同居していたものとして申告を行えば、「同居」していたと扱われて敷地面積の全体に対して80%減額(相続税の課税対象金額が5分の1になる特例)が適用されます。

平成26年1月1日以後の相続からは、建物内部で行き来ができない二世帯住宅であっても、同居しているものと扱われ、各部分の床面積で按分しないで建物の敷地の全体(但し240㎡までの部分)に対して、80%減額(相続税の課税対象金額が5分の1になる特例)が適用されます。

但し、この取り扱いは、二世帯住宅全体を一戸の建物として登記している場合に限られます。
例えば、親と子供がお金を出し合っていわゆる二世帯住宅を建てた場合ときに、親の居住部分と子供の居住部分を別々に登記した場合は、それぞれが一戸の建物となるため子供の居住部分(面積)に対応する敷地面積には、80%減額(相続税の課税対象金額が5分の1になる特例)はされません。

二世帯住宅全体を一戸の建物として登記して、所有権は共有(持分の所有)とすれば、建物の実際の構造がまったく同じであっても敷地全体に対して80%減額(相続税の課税対象金額が5分の1になる特例)が適用されます。

全体を一戸の建物として登記するか、各独立部分を別々に登記(区分所有登記)してしまうかが、分かれ目となります。

また、
平成27年1月1日以後は、特定居住用宅地の面積が拡大され、330㎡までの部分が5分の1の評価になります。