ゴルフ会員権などの売却損が他資産の売却益から差引ける場合があります(所得税)

2015-05-02
税理士 兵頭始 著者:兵頭始税理士事務所 税理士 兵頭始

総合課税の譲渡所得

ゴルフ会員権やリゾートクラブ会員権など「主として趣味、娯楽、保養又は鑑賞の目的で所有する資産(注)」を売却して生じた損失が、給与や事業、不動産など他の所得から差引くことができないことになりました。

(注)貴金属や書画骨董などの売却損は、従来より他の所得から差引くことはできません。

このことにより、値下がりしているゴルフ会員権やリゾートクラブ会員権などを売却して
税金の還付を受けることは非常に狭められました。

しかし、上記の取扱は他の所得から差引くことはできない、つまり「他の所得」との損益通算はできないというものです。

ゴルフ会員権やリゾートクラブ会員権などを譲渡したことによる所得は、「譲渡所得」に分類されています。
(正確に言うと、「総合課税の譲渡所得」)

そして、「総合課税の譲渡所得」のなかでは他の資産の売却益から差引くことができます。
(正確に言うと「差引かれます。」)

売却した場合に「総合課税の譲渡所得」となる資産は、次のものなどです。

・ゴルフ会員権
・リゾートクラブ会員権
・金地金
・宝石
・書画
・骨董品
・借家権(飲食店や店舗などの「居抜き」の譲渡など)

例えば、同じ年にゴルフ会員権と骨董品を売却してゴルフ会員権は100万円の損失、骨董品は150万円の利益が生じた場合は、これらの損益は相殺されて「総合課税の譲渡所得」は、150万円-100万円=50万円となります。

(ご注意)
法人の場合は、全ての損益を合算(通算)して所得を計算しますので、ゴルフ会員権などの譲渡損も他の全ての利益から差し引かれることになります。