中小企業の研究開発減税の利用状況

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税理士 兵頭始 著者:兵頭始税理士事務所 税理士 兵頭始
我国では、「科学技術の発展こそが国民生活の将来の豊かさを保証する」との考えから、研究開発活動に対しては、企業、研究機関、教育研究機関を問わず、様々な公的支援を行っています。

「研究開発減税=試験研究費の特別控除(税額控除)」
という法人税の減税制度は、補助金等と並んで企業が行う研究開発活動に対する国の支援政策の代表的なものです。
しかし、中小企業においては、研究開発減税を受けている企業は極めて僅かなのが現状です。

また、減税を受けている中小企業でも限定的な減税(例えば材料費だけなど)に留まっている場合が少なくないと思います。

下に研究開発減税の利用状況と、減税を受けている企業一社当りの減税額を表にしました。

【研究開発減税「試験研究費の総額に係る税額控除」の利用状況】
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国税庁 会社標本調査「税務統計から見た法人企業の実態」を基として作成

(ご注意)
 研究開発減税を受けている会社の割合を算出する基礎とした「分母」は、黒字を計上している製造業を営む会社の数 (研究開発減税を受けている会社は、大部分が製造業のため)

 一方、「分子」は、業種にかかわらず研究開発減税を受けている全ての会社の数

 したがって、①と②を基礎として算出した減税を受けている会社の割合そのものは、実態を正確に反映したものではありません。

 しかし、研究開発減税を受けている会社の割合が、規模の大きな会社に大きく偏っている実態を示すものとしては充分に有効です。

1 資本金1億円を超える会社の4社に3社(約76%)が研究開発減税の適用を受けているのに対して、資本金1億円以下の会社では、僅か20社に1社(約5%)が適用を受けているにすぎません。

現実に研究開発活動をしているにもかかわらず、「自社では研究開発減税の適用は受けられない」と思い込んでおられるのではないでしょうか。
また、「この減税制度は大企業だけを対象にした制度」だと勘違いをされている会社様もあると思います。

研究開発減税の対象となるのは、新製品や新技術の開発だけでなく、既存製品や既存技術のちょっとした改良のための活動も含まれます。

2 減税の適用が受けられるとした場合、上の表にあるように、資本金1億円以下の会社でも、1社当りの平均で 約400万円の法人税減税を受けています。
さらに、資本金1億円以下の会社では住民税にも減税が及ぶため、法人税と住民税を合わせて約480万円の減税を受けていることになります。

3 新製品や新技術の開発を行っている会社様や、既存製品や既存技術の改良を行っている会社様は、研究開発減税を受けるべく、まずは取り組んでみることです。

当事務所では、研究開発減税についてのご相談を承っています。
ご相談を承る内容は、次のような事です。

1 御社の研究開発などの活動のどの部分が、減税の対象となるか
2 どの費目や金額が減税となるか
3 研究開発費の会計と税務の違い

既にこの減税を受けて入る企業様も、現状の確認のためや、減税範囲の拡大の可能性を探るためにご利用ください。
また、ご希望により、コンサルティングや顧問も承ります。
税理士には税理士法により守秘義務が課せられています。
ご相談内容の秘密は厳守します。