会計基準と税法の違いが拡大したことによる会計の複雑化

税理士 兵頭始 著者:兵頭始税理士事務所 税理士 兵頭始
①中小企業でも会社の状況を正確に表すために、税法とは異なった企業会計の基準によって経理・決算を行うことが要求されつつあります。

②中小企業で導入すべき会計基準が「中小企業の会計に関する指針(平成18年)」です。
このことは平成18年に施行された「会社法」によって明確になりました。

例えば、
・従業員に退職金として支給すべき金額を全額負債として表示する
・取得した価額より著しく下落した資産を時価で評価・表示する

などです これらは税務上では費用とすることできません。
逆に、特別償却や圧縮記帳は該当資産の帳簿価額を直接減額するのではなく、準備金や積立金として純資産の部に表示し、 税務申告書で減額します この場合、会計上は費用となりませんが税金を計算する上では費用となります。

③会計基準によって決算を行うようになると、さまざまなことについて、会計基準による検討・計算と税法基準による判断・計算との両方が必要になります。

すなわち、会社の決算は税法を意識しながらも企業会計の基準によって行い、税法基準に大きく組み替えた税務申告書を作成することとなります。

そして、決算書の利益と税法によって計算した利益(課税所得)との差額が大きくなってきます。

企業会計基準による決算と税法基準による課税所得の差額を調整するのが、新聞などで報道されている税効果会計で、会計基準の導入に伴い必要となります。